茨城の医療について

 

茨城県医師確保計画
(令和6年度~令和8年度)

医師偏在指標と医師少数・多数区域

  • 医師偏在指標は全国ベースで医師の多寡を統一的・客観的に評価するため、地域の人口の性別・年齢構成や患者の流出入等の医療ニーズと性別・年齢階級別の医師数等を考慮し国が算定
  • 都道府県及び二次保健医療圏ごとに算定され、それぞれ全国上位1/3が医師多数、下位1/3が医師少数に区分される

※全都道府県の医療圏の合計数は330

二次・三次医療圏 医師偏在指標 全国順位 区域 標準化
医師数
(2020年)
(参考数値)
全国下位33.3%を脱するために
必要となる医師数
全国平均 255.6
茨城県 193.6 43 少数 5,632 6,384
つくば 337.7 23 多数 1,335
水戸 231.2 94 多数 1,214
土浦 184.4 204 551
取手・竜ケ崎 173.3 235 少数 827 836
筑西・下妻 153.0 284 少数 294 318
古河・坂東 148.8 292 少数 353 399
日立 140.3 308 少数 410 494
常陸太田・ひたちなか 140.3 309 少数 405 485
鹿行 137.2 315 少数 242 296

本計画における目標数値

  • 県民の安心・安全を確保するためには、地域住民に欠かすことのできない救急・小児・周産期などの政策医療を担う中核的な医療機関が、地域における役割分担に沿った機能を維持・発揮できるよう、適切に医師が配置されることが重要
  • このことから、県地域医療対策協議会において医師確保の必要性が認められたもののうち、政策医療提供体制を維持・強化するために、県が特に緊急的な対応が必要と判断したものを「最優先で医師確保に取り組む医療機関・診療科」として随時選定し、本計画の数値目標に設定
  • 2年以内の必要医師数の確保に向け、県外医科大学との新たな協力関係の構築や寄附講座の設置など、あらゆる方策に取り組む

医師確保の方針と重点化の視点

  • 本県は医師少数県であることから、医師の増加を図ることとし、医師の養成・定着や県外からの医師確保に取り組む。
  • 特に県内の医師少数区域の医師の増加を図り、大学や医師多数区域の医療機関は県内医師少数区域への医師派遣に努める。
  • 地域における救急、周産期、小児救急等の政策医療を担う中核的な医療機関が、役割分担に沿った医療機能を維持・発揮できるよう医師の確保に取り組む。
視点
医療提供体制の充実

全ての県民の安心・安全を守り、質の高い医療を提供

視点
2
医志の実現・キャリア形成と魅力ある環境づくり

県内高校生の医学部進学と県内でのキャリアアップ、ライフステージに応じた働き方を支援

視点
3
関係機関の連携・協働

県、大学、医療機関、関係団体等が議論を通じて医療資源の最適化を図る

※医師を目指す志

医師確保の施策

① 医師養成課程を通じた医師確保
養成過程 現状・課題 施  策
高校生
  • 医師の増加のためには県内高校生等の医学への興味と本県の医療状況への理解を深め、医学部進学者数を増やす必要
  • 県内高等学校における医学コースの設置
  • 医学部進学者向け教育ローン利子補給
  • 医師の県内中学・高等学校等への訪問、地域枠説明会
医学生
  • これまで、本県は地域枠の設置・拡大等により、将来、確実に医師不足地域に勤務する医師を養成・確保
  • 国の医師需給推計・偏在指標により算定される将来時点の必要医師数を踏まえ、医師の養成を図る必要
  • 各種修学資金貸与制度(地域枠、一般、海外、市町村)
  • 自治医科大学運営に対する支援
  • 地域医療支援センターによる修学生等支援
キャリア形成

(臨床研修医、専攻医等)
  • 医師は臨床研修を行った都道府県に引き続き勤務する割合が高いことから、県内外から多くの研修医を採用する必要
  • 修学生医師の増加や、2020年度以降の入学者から水戸保健医療圏が医師不足地域外となることを踏まえ、医師不足地域における研修体制を整備する必要
  • 医師の診療科偏在が顕著であることから、本県で不足する診療科の専門医を養成する必要
  • 県医師臨床研修連絡協議会を中心としたPR、指導体制の充実
  • キャリア形成プログラムの策定と魅力向上
  • 医師のキャリアアップ支援(専門医の認定支援、研修体制整備、海外派遣等)
  • 地域偏在のさらなる是正に向けた地域枠制度の抜本的な見直し
  • 医師修学資金貸与制度における「推奨診療科」の設定等による、将来不足が見込まれる診療科への誘導

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② 短期的な医師の確保
現状・課題 施策
  • 地域医療において、医師少数区域の中核病院や救急、周産期、小児救急等の政策医療機関の医師確保が重要
  • 特に早急な対応が必要な医療機関・診療科はあらゆる方策やアプローチが必要
  • 医師の派遣調整
    ・地域医療構想調整会議との連携による医師配置調整
    ・地域枠医師等へのキャリア形成プログラムの適用
  • 県外からの医師確保
    ・「いばらき医療大使」等による医科大学との新たな関係構築
    ・ウェブサイト等を活用した県外医師への個別アプローチ、県内医療機関へのマッチングによるUIJターンの促進
    ・寄附講座の設置、県外大学との連携プログラムの作成促進
    ・海外研修費支援による医師個人へのインセンティブ
【医師の配置調整】

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③ 魅力ある環境づくり

  • 特定行為研修修了看護師の活用等によるタスクシフト/シェアを推進
  • 医療勤務環境改善支援センター等において若手医師等の育児・就業や医療機関の勤務環境改善を支援し、県内定着を促進
  • 医師の働き方改革を進めるため、県民へ救急電話相談やかかりつけ医の活用等を周知

④ 茨城県地域医療支援センター

  • 2019年度より筑波大学内に分室を設置し体制を強化。本県地域医療のコントロールタワーの確立を目指す
    ・キャリアコーディネーターや教育インストラクターによる修学生の卒前教育、キャリア形成支援
    ・本県勤務の魅力など総合的な情報発信

⑤ 計画の推進体制

  • 県・市町村、医師会等関係団体、医療機関、筑波大学、地域医療対策協議会・地域医療支援センターが役割を認識し、連携・協働して計画を推進

産科・小児科の医師確保

分娩取扱医師偏在指標
周産期・三次医療圏 医師偏在指標 全国順位 区域 標準化分娩取扱医師数(人) (参考)産科偏在対策基準医師数
全国平均 10.5 9,396
茨城県 9.8 28 205 162.8
県南・鹿行 9.9 104 57 36.3
つくば・県西 11.1 84 76 43.8
県央・県北 8.7 144 72 50.1

※全都道府県の周産期医療圏の合計数は263

  • 本県は産科で相対的医師少数県を脱却し、周産期医療圏においても引き続き相対的医師少数区域は該当なし。
  • 小児科では引き続き全国下位33.3%に含まれる相対的医師少数県であるものの、小児医療圏の茨城西南が相対的医師少数区域から脱却。
小児科の医師偏在指標
小児・三次医療圏 医師偏在指標 全国順位 区域 標準化小児医師数(人) (参考)小児科偏在対策基準医師数
全国平均 115.1 17,634
茨城県 95.8 42 相対的少数 314 313
土浦広域 139.5 42 46 27
つくば市・筑西 110.2 135 83 60
茨城西南 94.0 193 22 19
県央・県北 90.0 214 相対的少数 94 84
常総 80.5 253 相対的少数 25 26
稲敷 70.6 276 相対的少数 20 23
鹿行南部 69.6 277 相対的少数 13 16
日立 55.8 295 相対的少数 11 15

※全都道府県の小児医療圏の合計数は303

産科・小児科の医師確保
方針 産科 小児科
医療提供体制の
充実・見直し等
  • 各周産期医療圏で求められる医療機能の充実・強化や医療資源の集約化・重点化、連携体制の構築を図る。
    ①正常分娩等を取り扱う医療機関
    ②比較的高度な周産期医療を行う医療機関
    (地域周産期母子医療センター、周産期救急医療協力病院)
    ③リスクの高い妊娠及び新生児に対する高度な周産期医療を行う医療機関
    (総合周産期母子医療センター)
  • 医療機関の連携体制の構築により、初期、二次、三次の小児救急医療体制の充実を図るとともに、県保健医療計画における「小児救急医療圏構想」に基づく3広域小児医療圏への見直しと医療資源の集約化・重点化を図る。
  • 小児在宅医療・小児がん医療の体制整備、児童虐待への対応、発達障害児の支援、難病対策、予防接種対策、アレルギー疾患対策、重症心身障害児等への支援、災害を見据えた小児医療提供体制の確保を図る。
短期的な
医師の確保
  • 三次保健医療圏、周産期医療圏及び小児医療圏の医療提供体制維持のために緊急的な対応が必要な医療機関については、医師の派遣調整や県外からの医師確保により、必要医師数の確保を図る。
中・長期的な
医師の養成
  • 将来の出生数や年少人口の減少と医師の需給を見据えた医師の養成・確保を行う必要があることから、国の「都道府県別診療科別ごとの将来必要な医師数の見通し」などを踏まえ、中・長期的な必要医師数の養成を図る。

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茨城県の医療提供体制

茨城県の救急医療体制

初期救急医療 初期救急医療は、外来診療によって救急医療を行う地域に最も密着した医療であり、比較的軽症の救急患者に対応するため、12か所の休日夜間救急センターや地域の開業医が当番制で診療を行う在宅当番医制病院等により、市町村単位で実施しています。
第二次救急医療 第二次救急医療は、入院治療を必要とする重症救急患者に対応するための医療であり、県内を11の地域に分けて地域内の病院が輪番制方式により実施する病院群輪番制と、水戸地域の救急医療二次病院による二次救急医療体制を基本に実施しています。
第三次救急医療 第三次救急医療は、第二次救急医療では対応困難な重篤な救急患者に対応するため、救命救急センターにおいて、24時間365日体制で受入れ高度な医療を提供するとともに、本県独自のドクターヘリ運航や隣県ドクターヘリとの連携によって、救急患者の救命率の向上と後遺障害の軽減を図っています。
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茨城県救急医療体制図はコチラ

茨城県の小児医療・周産期医療・へき地医療体制

茨城県の小児救急医療体制

県北県央・県南東・県南西の広域3医療圏にそれぞれ、小児救急中核病院(群)各1病院と地域小児救急センター1から2病院を配置していますが、二次救急医療機関の診療体制の充実を図るため,広域的な対応が必要となっています。三次救急医療機関においては、小児救命センターを中心とした24時間365日の体制を確保するとともに、小児集中治療センター(PICU)病床を持たない小児救急中核病院の人材育成や病院間の連携などの体制強化を図る必要があります。

小児救急医療位置図はコチラ

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茨城県の周産期医療体制

県内を3つのブロックに分け、各ブロックに総合周産期母子医療センター、地域周産期母子医療センター及び周産期医療協力病院を指定し、周産期医療体制の整備を図るとともに、各総合周産期母子医療センターに妊産婦搬送コーディネーターを配置するなど、地域の産婦人科医療機関、搬送機関との連携を強化した総合的な診療体制を確保しています。

周産期医療位置図はコチラ

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へき地の医療提供体制

県北山間地域では、地理的な条件等から保健医療サービスの利用が困難な無医地区・準無医地区となっているところや過疎地域等の指定を受けている地域があります。へき地を含んだこれらの地域における医療提供体制を確保するため、へき地診療所、へき地医療支援機構、へき地医療拠点病院及び市町が連携して、へき地保健医療体制の整備に努めています。また、一部の地域では、民間医療機関がへき地住民等に対して健康診断や巡回診療を行い、へき地の医療提供体制において大きな役割を果たしています。

無医地区等位置図はコチラ

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茨城県医療Map

茨城県医療Mapです。本県の医療体制や医療機関について、網羅的に掲載しております。
ぜひ御覧ください。

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